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更新日 2013-06-21 | 作成日 2010-01-05

ある日、家に帰るとポストに手紙が入っていました。
手紙というか、木の切れ端が入っていました。
だから手紙ではなくって手木(てぼく)でしょうか?

話は昨年の秋にさかのぼりますが、
薪割りをしていると、
自分が振り下ろした斧で、スパンと木が割れて、
そこから木の香りや色彩や木目のごつごつした表情や、
ときにはしなやかな繊維の積層が、
次から次に現れます。
これは単なる作業ではなくて、なにかとてもクリエイティブなことのように思えてきます。
木の香りと汗にまみれて、次々と現れてくる木の表情を眺めながら恍惚感にひたる。
イメージとしては、パカン!と割った薪の割れ目から、なにかサイケデリックなエネルギーが噴き出してきて、
そのエネルギーにまみれながら狂ったように薪を割り続ける状態。
この状態を薪割りハイと呼びます。
薪割りは危ない遊びです。

このカンジをだれかと共有したいなという気持ちで、
割った薪の中から出来の良いものをちょっとだけ加工してペイントして、
cimacumaさんに薪を手渡してきたのでした。

しばらくして送られてきたのが、見事に変身した、あの薪だったのです。
謎な元素記号の紙の切れ端や、見覚えのある綺麗な毛糸がコラージュされています。
薪割りから生まれる想像力の連鎖に、薪エネルギーの未来を感じます。(笑)
アートは美術館でながめるものだけではなくて、
もっと日常の手仕事から生まれるといいなと思っているのですが、
そのことがひとつ、カタチになった気がしました。

僕はただ、その薪をちょっとだけ加工した木を眺めて、
クリエイティブなcimacumaさんに遊んでもらえたらと思っていたので、
僕のとこに送られてきたときにはびっくりしましたが・・・。

手紙ではなくて手木かな・・・と書きましたが、
考えてみると手薪かな。

送られてきたものを、ポンと机の上に置いてしばらく眺めてみる。
この薪を通したひととのつながりは、メールとは対極にあるな・・・。

ただの薪にいろいろなことをのせてくれてありがとう。
cimacumaさん。

送られてきた手薪を眺めながらウイスキーを飲んでみる。
手薪は酒の肴にもなるな。

http://cimacuma.cimacuma.shop-pro.jp/?eid=236898

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ホロミンは、幌見峠にある、
設計事務所です。
店舗・住宅等の一般的な設計の他、

「この建物、まだなんとか使えないかな・・・」
「自分で家を作りたいんだけど・・・」

そんな場面で、お客さんと一緒に考え、一緒に作るという仕事をしています。
あたまで考えること、手を動かして作ること。
この二つを職能として分離しない空間作りを心掛けています。

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粟野 琢
(アワノ タク)
一級建築士