Column210524 of HOLOMIN web 2018


Column 26

本棚の家 竣工

2021.05.24

「竣工」と書きましたが、この家作りはここから始まる家作りでもあります。
ここまでの工事も、ハーフビルドという施主参加型の工事の組立てで、HOLOMINチームと一緒に作業を行ってきました。季節的には、秋に着工して、厳しい冬工事を経ての(とりあえずの)竣工・・・ということで、本当に大変な苦労と、工事に携わることで得られる楽しみを現場を通して共有してきました。
ここからはじまる・・・と書いたのは、僕も全容を知らされていない、施主の思いの詰まった場所作りがこれからはじまる・・・という意味で、軽々と設計者のイメージを越えていくであろう、ユニークでバイタリティの溢れる施主がいよいよ本気を出す(!)タイミングに差し掛かったという意味です。笑

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建物は、大きな屋根の下に、小さな住宅棟と、ゆくゆくは店舗として古本屋をするための少し大きめの店舗棟が、1階の土間テラスと2階の空中デッキを介してつながっているという構成になっています。
また、向って右側の古本屋は、傾斜になっている手前側から、長いブリッジを介して直接アプローチできるようになる予定です。

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1階の店舗側から住宅へ抜ける土間の通路部分は、屋根のある半外部の土間となっていて、雨や雪が降っていても周辺環境とつながって暮らし、人が集うためのスペースのひとつとなっています。

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未完成の状態でのお引き渡しとなりますが、まずはこの住宅棟を施主が仕上げて、お引越し。その後、もう片方の古本屋棟をコツコツと・・・。
今回の引渡しのための(ひとまずの)完成系としてバタバタとそしてハードな工事を行ってきましたが、これからは施主のペースと感性で、自分たちの場所作りを行っていくことになるかと思います。未完成な部分がたくさんあるだけに、僕の想像できる範囲を超えていくであろうこれからの展開が楽しみな住宅です。