薪ストーブユーザーにとって、
この季節は来冬に向けての薪集めの季節です。
最後の桜も咲き終わり、めくるめく新緑の季節。
さぁ、どこの山に行こうかな?どこにテント張ろうかな?どこかトークへ行きたいなと、
外へ外へと飛んで行きそうになっていた自分の魂を必死でつなぎとめていた数年前までのこの季節の気の持ちようとは、
ここ幌見峠に引っ越してきて少し変わってきた気がしてます。
来冬は灯油かわないぜ!・・・
そのために今薪を割るぜ!
夏の野菜は自給するぜ!・・・
そのために今耕すぜ!・・・
冬に向けてもちょっとは蓄えたいぜ!・・・
だからやっぱりジャガも少しは植えるぜ!
いつからこんな先を見るようになったんだろうか?
これはちょっと大人になったことなのか、
ちょっと保守的になったということか、
はたまた地に足がついてきたということか、
つまり土着的?
良いのか悪いのか、自分の気持ちの変化を感じます。
気持ちの変化というか、興味の変化というか、エネルギーの矛先というか、
こんな内省的なことを考えること自体、この季節のこれまでの自分の心理状態からは考えられなかった気がします。
老けたということか・・・?
なんにしても、新緑のエネルギーに取り込まれて、あぁー気持ちぃーというような、動物的な直観を喜んでいた数年前とはちょっと違った感覚もわいてきた、北海道の新緑の季節です。
さて、薪の話に戻りますが、薪集めは基本的には家の周りの林を歩いて、冬に切った木や倒木などを探してくるのですが、街の中で発見することもたまーにあります。
今回の薪は、街中を歩いていて、とあるタクシー会社の敷地内で発見しました。
さっそく敷地を歩いていた作業服姿の人に「この木、捨てるんだったらくれませんか?」と聞いてみると、「いいよー、持ってきな。」とのこと。
積み上げられていた木は、ナナカマドという木です。
七回かまどに入れても燃えないからナナカマドということだけは知っていたので、念のため帰ってネットで調べてみると、ナナカマドは燃えにくい、つまりしっかり乾燥させればゆ~っくり燃えるので、とても上質な薪材として重宝されてるとのこと。
お、ラッキーと早速、車を走らせ先ほどのタクシー会社へと向かいました。
積み込みが終わって、先ほどの作業服のひとに、「とっておいてくれてありがとうございました。」とお茶やジュースなど近くのコンビニで買ってきてお礼をすると、帰りがけに会社の部長(?)らしきひとに呼び止められて、
「秋にも太いの切るから、たまに顔出しなー」とありがたい言葉をいただきました。
500円の誠意は大切にしようと心に誓いました。
帰って、ストーブに入る適当なサイズにチェンソーでカットして、パカンパカンと斧で割り、積み上げます。
山の上で感じる満足感と、積み上げた薪を前にした満足感。
どちらも、若干の筋肉痛とセットで満足感はやってきます。
そういえば、スノーボードの満足感に畑仕事の後の満足感に、サッカーの後の満足感・・・と、自分にとっての格別の満足感についてあれこれ思いを馳せていて、
そうか、満足感と筋肉痛は隣り合わせにあったんだ!
へんな真理に気づいた、北海道の新緑の季節です。