昨年伐ったシナノキの皮むきです。
大きな鎌で、ザックザックとむいていきます。
世の中には皮むき機という便利な機械もあるらしいのですが、
枝の付け根の部分や、木の性質や気候の影響による凹凸など、
表面の形を大切に表現するには、やはり手仕事による皮むきに限ると思っています。
そしてこの仕事は体を使う大変な作業ではありますが、体を温めてくれるありがたい作業でもあります。
冬の朝は、工房の気温はマイナスの日がほとんどなのですが、薪ストーブに火を入れて、この作業を30分もやれば体はポカポカしてきます。
自分が動いて、体の中からの発熱を促すことは、ここ北海道で冬を楽しむ秘訣です。
それは自分にとっての大工や木工の仕事であり、生活の中での雪かきであり、自分の足で登るバックカントリーであり・・・、そういうことをひとつひとつ体を使ってやっていくことが、人生を豊かにすると信じています。
北海道の冬の楽しみは、お金では買えません。
自然木を何本かむくと、皮が山のようにたまります。これらはもっと乾燥させれば、ストーブの焚きつけにもなるし、春が来たら畑のマルチや、バークチップとして、グランドカバーにもなります。
僕にとって自然木の皮むきは、仕事と生活のなかに、つながりというか流れのようなものを作るひとつの手法です。