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更新日 2013-06-21 | 作成日 2010-01-05

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世の中は、お盆休み初日。
札幌らしいカラッとした晴天の良日に、キリムの洗濯をしています。
十勝の知人が、僕が十勝にいた際によく飲みに行っていたハンバと呼ばれていた小さなパーティースペースを閉鎖するということで、
そこで使われていたモノをわざわざ持ってきていただいたのでした。
お酒を飲んで夜を明かし、いろんなことを学んだ思い出の場所から届いた、素敵な贈り物です。
このキリムの上で何度、グラス片手に崩れ落ちるように眠りについたことか・・・。
中東の草木染めのキリムで、1.9×3.8メートルほどもある、大きなキリムです。
まずは砂利の地面にバサッと広げて、水をしみこませて、中性洗剤とブラシでゴシゴシ洗います。

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それを脚立を並べて木材を渡し、キリムが接するところには竹を縛り付けて作った、
仮設の物干し竿に乗せるのですが、これが大変な作業です。
ただでさえずっしり重いキリムに水を含ませると、(推定)40~50キロほどの重量になります。
これをひとりで2メートルほどの高さまで持ち上げるのです。
2度、うまく掛けられずに脚立とともに崩れ落ちました。
独りで行うそんな作業は、反骨精神と知恵が養われます。

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はじめは濡れ色でしっとりとしたキリムですが、乾いてくると徐々に、
草木染めの色彩と、ざっくりとした質感が浮かび上がってきます。
この変化はかなりドラマチックでした。
異国で育った動物の毛が刈られ、可愛らしい中東の乙女が編み込んだキリムが異国の北国に運び込まれ、
道東の十勝のハンバでの様々なドラマの舞台となり、ここ幌見峠にやってきてリフレッシュしている。
洗濯をしながら、このキリムの歩んできた旅に思いを巡らせます。
これはあくまで僕の中で美化されたキリムの旅路であり、
実際は、イランのおっさんが水タバコ片手に織り機に向かっていたかもしれませんが・・・。

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畑でわさわさ伸びるゴーヤ越しに見た、キリムの乾燥の風景です。
日本じゃないみたい・・・。

What
is
HOLOMIN

ホロミンは、幌見峠にある、
設計事務所です。
店舗・住宅等の一般的な設計の他、

「この建物、まだなんとか使えないかな・・・」
「自分で家を作りたいんだけど・・・」

そんな場面で、お客さんと一緒に考え、一緒に作るという仕事をしています。
あたまで考えること、手を動かして作ること。
この二つを職能として分離しない空間作りを心掛けています。

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粟野 琢
(アワノ タク)
一級建築士